住宅ローンの仕組みについて知ろう

家を建てるというのは、人生の中でも特に大金が必要なこと。現金一括ですべての費用を支払える経済状態でなければ、支払いには住宅ローンを利用することが一般的でしょう。

住宅ローンの対象となるのは、原則として利用者本人もしくはその家族が居住するための住宅を取得するための費用のみです。賃貸用物件や店舗などの取得費用は対象となりません。

住宅ローンは生活の基盤となる住宅を取得するための費用が対象であることから、ほかのローンに比べて基本的に金利は低めになっています。代わりに金額が大きく、長期間に渡っての安定的な返済能力が求められるため、審査をクリアするためには安定した継続的収入があるかどうかが重視されるのです。

住宅ローンの返済期間は、前述の通り長期に渡ることが想定されます。そのため、金利の違いによる総返済額の差はかなり大きなものになる場合があるのです。たとえば、3000万円のローンを組む場合、一方は金利3%で35年ローンを、もう一方が1%大きい金利4%で同じく35年ローンを組んだとしましょう。年利3%の場合の総返済額は48,491,100円であるのに対し、わずか1%年利が大きいだけの年利4%の方は55,789,440円。両者の差は7,298,340円にもなるのです。

前述の通り、住宅ローンを組む際には事前に資金計画をしっかり立てておかなくてはいけません。また、事前に住宅ローンの成功例や失敗例について知っておくことも重要でしょう。

住宅ローンの総返済額を減らすためには、いかにして利息を抑えるかが重要なポイントで、こうした場合に有効なのが繰り上げ返済です。

繰り上げ返済とは、ボーナスや臨時収入があったときなどに、通常の返済にプラスして別にも元金の一部を返済すること。繰り上げ返済で返済した金額はローンの元金部分に充当されます。そのため、繰り上げ返済で返済した金額に対しては利息が適用されません。つまり、繰り上げ返済をうまく活用することで総返済額のうちの利息部分を節約することができるのです。

逆に、ローン返済での失敗例としては利率や返済期間によって余分な金額が発生してしまうというパターンがあります。典型的な失敗としては、金利の変動幅が予想を超えて動いたため、あとから利息が大 きくなってしまったというものです。現在は超低金利時代とも言われている通り、住宅ローンの平均的な金利は0.4%～1.5%程度となっているため、検討時期としては良いでしょう（2021年時点）。

低金利政策が将来に渡っても継続する保証はありません。そのため、低金利のうちに金利を固定するパターンの住宅ローンを設定するのは有効な手段です。ただし、いくら金利が低いからといって準備金が足りなければ結局借りることになり、返済に苦慮することが考えられます。

資金計画の時点で金利と準備金とのバランスを考慮しながら、無理のない返済計画を立てるよう、専門家と相談しながら計画するのが無難な方法でしょう。

住宅ローンの相談窓口としては、銀行をはじめとする金融機関が一般的です。しかし、それ以外にも工務店やハウスメーカーでも住宅ローンの相談窓口を設けている場合があるのです。以下に、住宅ローン説明会や相談会を行っている代表的な業者を3社ピックアップしているので、参考にしてみてください。

年間お引渡し棟数238棟（2021年度）という実績を誇る会社です。多数の施工実績があるので、その分コストダウンができるのが強み。費用を抑えつつ理想の住まいを建てたい人におすすめの業者となっています。

資金計画サポートも充実しており、住宅ローンはもちろんのこと、住宅取得にかかる諸費用やその内訳、詳細な工事内容まですべて丁寧に説明し、不鮮明な部分をなくすことがモットーです。住宅ローンに関しては、将来的に破綻のない資金計画の元、ライフプランシミュレーションを行い、無理のない住宅ローンの構築に努めています。

特に子育て世帯をターゲットとした住宅会社です。それぞれの家庭のライフスタイルに合わせた、自由設計での住まいづくりを得意としています。また、建材にもこだわっており、快適な生活に欠かせない高気密・高断熱といった住宅機能を実現し、末永く心地よい暮らしを続けられる住まいづくりを目標としているのです。

住宅ローンに関しては、月々5万円からの返済計画を立案。意外に見落としがちな手数料や各種税金なども含めた総額の予算を計上し、そこから無理のない返済計画をプランニングしています。

名前の通り、木の魅力と性能を全面に押し出した住まいづくりを得意としている会社です。公式サイトに掲載している施工実績は、価格帯や坪数、家の形態ごとにさまざまな施工事例を閲覧することができるのでとても便利。さらに近年の住宅の標準スタイルとなっているニッチ・ゼロ・エネルギー・ハウスや各種助成金についても公式サイトで役立つ情報を公開しています。

住まいを建てるプランについては、住宅ローンはもちろんのことデザインや造成など、住まいを建てるために考えなくてはいけないさまざまなことについて相談が可能。不安をすべて解消したうえでマイホームの建設を始められるでしょう。

三菱UFJ銀行の住宅ローンは、変動・3年・10年プランともに固定金利が安く、固定期間終了後の金利も安いのが特徴です。そうした金利の安さがあってか、数多くの住宅ローン契約件数を誇ります。

フラット35で数多くの国内シェアを誇る金融機関です。フラット35の金利が低水準であるのに加え、審査が非常に早く、最短で即日でローンが組めるのが大きなメリット。

2023年3月時点の変動・10年固定の金利が低水準（※審査の結果によっては利用できない可能性あり）で、がんと診断された場合ローン残高が半分になるという特約もあります。

家造りの前には、不動産業者や工務店などとさまざまなことを話し合うことになるでしょう。間取りやデザイン、どんな素材を用いるかなどはとても重要ですが、住宅ローンに関して話し合うことも忘れてはいけません。住宅ローンの支払期間は長期に渡るので、将来的な金利上昇や支払い能力の変動も計算に入れて考えておく必要があります。そのため、家を建てる際には、住宅ローンの相談も受け付けている工務店を選ぶようにすることが大切です。